Pythonは高水準のプログラミング言語であり、データサイエンスや機械学習、Web開発などの分野で広く使用されています。しかし、Pythonはデフォルトではシングルスレッドで実行されるため、大量のデータを処理するときにパフォーマンスの問題が発生することがあります。
この問題を解決するために、Pythonではmultiprocessing
モジュールを提供しています。このモジュールを使用すると、複数のプロセス(サブプロセス)を生成し、マルチプロセッサーマシンの性能を最大限に引き出すことができます。
multiprocessingモジュールとProcessクラス
multiprocessing
モジュールはPython標準ライブラリの一部であり、並列処理を実現するために使用されます。このモジュールの中にはProcess
クラスが含まれており、このクラスを使用すると、新しいプロセスを生成し、そのプロセス内で任意の関数を実行することができます。
以下に、Process
クラスを使用した並列処理の基本的な例を示します。
from multiprocessing import Process
def f(name):
print('hello', name)
if __name__ == '__main__':
p = Process(target=f, args=('bob',))
p.start()
p.join()
このコードは新しいプロセスを生成し、そのプロセス内で関数f
を実行します。target
引数には実行する関数を、args
引数にはその関数の引数をタプル形式で指定します。start
メソッドでプロセスを開始し、join
メソッドでプロセスが終了するまで待機します。
まとめ
Pythonのmultiprocessing
モジュールとProcess
クラスを使用すると、複数のプロセスを生成し、それぞれのプロセスで異なるタスクを同時に実行することができます。これにより、Pythonプログラムのパフォーマンスを向上させることが可能になります。ただし、並列処理を行う際には、データの分割、同期処理の実行、メモリの使用、エラー処理に注意する必要があります。