Pythonをアップデートしたにもかかわらず、コマンドラインでバージョンを確認するとバージョン番号が変わっていないという現象があります。この記事では、この現象の原因と解決法を紹介します。
原因
この現象の原因は、環境変数のPATHにあります。PATHとは、コマンドラインで実行可能なプログラムの場所を指定するための設定です。PATHには、複数のプログラムの場所が順番に並んでいます。コマンドラインで python と入力すると、PATHに登録されたプログラムの場所から順番に探して、最初に見つかった python.exe という名前のプログラムを実行します。
しかし、自分で意図的にインストールしたPythonだけでなく、他のソフトにPythonが同梱されていることがあります。たとえば、Inkscapeには、Pythonが同梱されています。この場合、コマンドラインで python と入力すると、最初に見つかるのはInkscapeに同梱された古いバージョンのPythonです。そのため、アップデートしたにもかかわらず、バージョン番号が変わっていないように見えます。
対処法
この現象を解決するためには、環境変数のPATHの順番を修正する必要があります。Windowsの場合の具体的な手順は、次のとおりです。
- Win + s でWindows Searchを開き、
pathと入力します。 - [システム環境変数の編集]を開き、下部にある[環境変数 (N)…]をクリックします。
- 表示されたウィンドウの[ユーザー環境変数]または[システム環境変数]の Path を選択し、[編集]ボタンをクリックします。
- Pythonのディレクトリーが含まれる項目を探して選択し、[上へ]ボタンで上へ移動します。
以上の手順で、Pythonのアップデートが反映されるようになります。この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。