PythonでJSONを扱う際、NaN
(非数)の取り扱いは特別な注意が必要です。Pythonの組み込みのJSONエンコーダは、デフォルトでNaN
をNaN
として出力します。しかし、これはJSONとしては無効な形式であり、問題を引き起こす可能性があります。
例えば、次のようなコードを考えてみましょう。
import json
import numpy as np
data = {
"a": 1,
"b": np.nan,
"c": 3
}
json_str = json.dumps(data)
このコードを実行すると、json_str
は次のような文字列になります。
{
"a": 1,
"b": NaN,
"c": 3
}
ここで、"b": NaN
はJSONとしては無効な形式です。これを解決するためには、NaN
を別の値(例えばnull
)に変換する必要があります。
そのためには、simplejson
パッケージを使用することができます。simplejson.dumps
メソッドはignore_nan=True
オプションを指定することで、NaN
をnull
に変換します。
import simplejson
data = {
"a": 1,
"b": np.nan,
"c": 3
}
json_str = simplejson.dumps(data, ignore_nan=True)
このコードを実行すると、json_str
は次のような文字列になります。
{
"a": 1,
"b": null,
"c": 3
}
このように、PythonでJSONを扱う際には、NaN
の取り扱いに注意が必要です。特に、データ分析や機械学習の分野では、NaN
が頻繁に出現するため、この問題は無視できません。適切な対処法を知っておくことで、予期しないエラーやバグを防ぐことができます。