Visual Studio Code(VSCode)は、多くの開発者にとって非常に人気のある統合開発環境(IDE)です。特にTypeScriptの開発においては、VSCodeが強力なサポートを提供しています。ここでは、TypeScriptプロジェクトをVSCodeで実行する方法に焦点を当ててみましょう。
1. VSCodeのインストールと設定
まず初めに、VSCodeをインストールし、TypeScriptのサポートを有効にします。VSCodeの拡張機能マーケットプレイスから「TypeScript」拡張機能を検索し、インストールします。
2. TypeScriptプロジェクトの作成
次に、TypeScriptプロジェクトを作成します。例えば、以下のようなディレクトリ構造を持つプロジェクトを作成します。
my-typescript-project/
|-- src/
| |-- index.ts
|-- tsconfig.json
3. tsconfig.jsonの設定
tsconfig.json
ファイルを作成し、TypeScriptプロジェクトのコンパイル設定を行います。基本的な設定例は以下の通りです。
{
"compilerOptions": {
"target": "es5",
"module": "commonjs",
"outDir": "./dist",
"rootDir": "./src",
"strict": true
}
}
4. デバッグ構成の設定
VSCodeでTypeScriptプロジェクトを実行するには、デバッグ構成を設定する必要があります。.vscode/launch.json
という名前のファイルを作成し、以下のような設定を行います。
{
"version": "0.2.0",
"configurations": [
{
"name": "Debug TypeScript",
"type": "node",
"request": "launch",
"program": "${workspaceFolder}/node_modules/typescript/bin/tsc",
"args": ["-p", "${workspaceFolder}"],
"stopOnEntry": false,
"cwd": "${workspaceFolder}",
"protocol": "inspector",
"runtimeArgs": ["-r", "ts-node/register"],
"sourceMaps": true,
"outFiles": ["${workspaceFolder}/dist/**/*.js"]
}
]
}
5. 実行とデバッグ
これで準備が整いました。VSCodeのデバッグビューで「Debug TypeScript」を選択し、デバッグを開始すると、TypeScriptプロジェクトがコンパイルされ、実行されます。
TypeScriptとVSCodeの組み合わせは、型安全性と優れた開発ツールの組み合わせにより、効率的かつ信頼性の高い開発を可能にします。適切な設定とデバッグ構成を持つことで、スムーズな開発プロセスを享受できるでしょう。