Reactは状態管理を行うためのHooksが豊富に用意されています。しかし、使い分けを誤るとパフォーマンスの問題やバグの原因になることもあります。本記事では、Reactで状態管理をする際のHooksの使い分けと注意点について解説します。
useState
最も基本的なHooksであり、コンポーネント内で状態を管理するために使用します。状態の変更を行うたびにコンポーネントが再レンダリングされるため、状態の更新頻度が高い場合はパフォーマンスに影響する可能性があります。そのため、状態が必要な箇所でのみ使用するようにしましょう。
useMemo
コンポーネント内で複雑な計算を行う場合に使用します。useMemoを使うことで、計算結果をメモ化し、同じ入力が渡された場合は再計算を行わずにキャッシュした値を返すことができます。ただし、メモ化された値があまりにも大きい場合は、その分メモリ消費量が増加するため注意が必要です。
useCallback
コンポーネント内で関数を定義する場合に使用します。useCallbackを使うことで、同じ関数を何度も再定義するのではなく、キャッシュされた関数を返すことができます。これにより、子コンポーネントに渡す関数が変わらない場合は再レンダリングを行わずに済むため、パフォーマンスが向上します。
useContext
グローバルな状態を管理するために使用します。useContextを使うことで、プロパティのように値を渡すことなく、コンポーネントツリー全体で共有することができます。ただし、使いすぎると可読性が低下するため、必要な箇所でのみ使用するようにしましょう。
以上が、Reactで状態管理をする際に使い分けるべきHooksについての解説でした。適切に使い分けることで、パフォーマンスの向上やバグの防止につながります。
useReducer
複雑な状態を管理するために使用します。useReducerを使うことで、複数の状態を1つにまとめて管理することができます。また、状態の変更によって複雑なロジックを実行する場合にも便利です。ただし、useStateに比べてコードが複雑になることがあるため、必要な場合にのみ使用するようにしましょう。
useEffect
コンポーネントのライフサイクルに合わせて処理を行うために使用します。例えば、コンポーネントがマウントされたときにAPIからデータを取得したり、状態が変更されたときに特定の処理を実行したりすることができます。ただし、useEffect内で状態を更新する場合は、その変更によって再度useEffectが実行されてしまうため、無限ループに陥る可能性があります。そのため、useEffectの第2引数に依存する状態を指定し、その状態が変更されたときのみuseEffectが実行されるようにする必要があります。
useRef
DOM要素を扱う場合に使用します。useRefを使うことで、ref属性を使うことなくDOM要素を直接参照することができます。また、コンポーネントの状態とは無関係に値を保持することができます。ただし、DOM要素以外の値を保持する場合は、useStateを使用する方が適している場合があります。
以上が、Reactで状態管理をする際のHooksの使い分けと注意点についての解説でした。適切に使い分けることで、コンポーネントのパフォーマンスや可読性が向上し、バグの発生を防ぐことができます。