Pythonでロギングを行う際に、出力がない問題に直面することがあります。この記事では、その問題の原因と解決策について説明します。
ロギングハンドラーが定義されていない
Pythonのロギングシステムでは、ログメッセージをどのように処理するかを決定するために「ハンドラー」が使用されます。ハンドラーが定義されていない場合、logging.lastResort
というハンドラーが使用されます。このハンドラーはデフォルトで<_StderrHandler (WARNING)>
となっており、WARNING
レベルからのログのみを標準エラー出力に出力します。
ロギングの設定
Pythonのlogging
モジュールを使用してログを外部ファイルに出力する方法について説明します。以下に、ログの内容を外部ファイルに出力するためのコードを示します。
import logging
logger = logging.getLogger()
logger.setLevel(logging.DEBUG)
formatter = logging.Formatter('%(asctime)s - %(levelname)s - %(message)s')
# ファイルへ出力するハンドラーを定義
fh = logging.FileHandler(filename='./logs/test001.log', encoding='utf-8')
fh.setLevel(logging.DEBUG)
fh.setFormatter(formatter)
# rootロガーにハンドラーを登録
logger.addHandler(fh)
logger.debug("ログに出力")
logger.info("ログに出力")
logger.warning("ログに出力")
logger.error("ログに出力")
上記のコードでは、logging
モジュールを使用して、ログの内容をtest001.log
という名前のファイルに出力します。また、ログのレベルをDEBUG
に設定していますので、DEBUG
レベル以上のすべてのログが出力されます。
まとめ
Pythonのロギングシステムは非常に強力で、適切に設定すれば、アプリケーションの動作を詳細に追跡することができます。しかし、その設定が不適切であると、期待したログが出力されないという問題が発生することがあります。この記事では、そのような問題の一般的な原因と解決策について説明しました。