Pythonのmultiprocessing
モジュールは、プロセス間でデータを共有したり、並列処理を行うための強力なツールです。このモジュールの中にはQueue
とPool
という二つの重要なクラスがあります。
QueueとPoolの違い
Queue
とPool
は、並列処理を行うための異なる抽象化レベルを提供します。Pool
は、ワーカープールという並列設計パラダイムで、プロセスとキューを使用する際に自分で実装しなければならない多くのロジックを抽象化することを目指しています。一方、Queue
は、プロセス間でデータを共有するための手段を提供します。
multiprocessing.Pool
は、内部でQueue
を使用して動作します。問題が十分に単純であれば、Pool
に頼ることができます。しかし、より複雑なケースでは、自分でプロセスとキューを扱う必要があります。
QueueとPoolの使い方
以下に、Queue
とPool
を使用したコードの例を示します。
import multiprocessing
def hold(url):
# 何かの処理
return soup
def queue(url):
# 何かの処理
return bool(li)
def update(url):
with multiprocessing.Pool(2) as pool:
hold_job = pool.apply_async(hold, args=[url])
queue_job = pool.apply_async(queue, args=[url])
# hold_jobが終了するまでブロック
soup = hold_job.get()
# queue_jobが終了するまでブロック
li = queue_job.get()
このコードでは、multiprocessing.Pool
を使用してhold
関数とqueue
関数を非同期に実行しています。apply_async
メソッドを使用すると、関数の実行を非同期に行うことができます。
以上がPythonのQueue
とPool
の基本的な違いと使い方になります。これらのクラスを理解し、適切に使用することで、Pythonでの並列処理を効果的に行うことができます。