Pythonでは、データ分析やデータクレンジングを行う際に、しばしば欠損値や空の値を扱うことがあります。その際に出てくるのがNone、Null、NaNという3つの値です。これらは一見似ていますが、それぞれ異なる意味を持ち、異なる状況で使用されます。
None
NoneはPythonのオブジェクトで、NoneTypeという型の唯一の値です。Noneは、関数にデフォルト引数が渡されなかったときなどに、値の非存在を表すのに頻繁に用いられます。
NaN
NaNは”Not a Number”の略で、数値ではない浮動小数点を表す数(非数)を指します。NaNは数値として扱われるため、数値との演算や比較を行うことができます。
NoneとNaNの違い
NoneとNaNの主な違いは、Noneがオブジェクトであるのに対し、NaNは数値として扱われる点です。したがって、Noneは数値との演算や比較を行うとエラーが発生しますが、NaNはそのような操作が可能です。
また、Noneは条件式での評価がFalseとなりますが、NaNは条件式での評価が常にFalseとなります。
まとめ
Pythonでデータを扱う際には、NoneとNaNの違いを理解しておくことが重要です。これらの値は、データが欠損しているか、空であるか、あるいは数値でないことを示すために使用されます。それぞれの値がどのような状況で使用され、どのように扱われるかを理解しておくことで、データ分析やデータクレンジングの作業をスムーズに進めることができます。