Pythonのマルチプロセッシングモジュールは、プロセスベースの並列処理をサポートしています。このモジュールは、スレッドではなくサブプロセスを使用することで、Global Interpreter Lockを回避し、プログラマがマシン上の複数のプロセッサを完全に活用できるようにします。
特に、マルチプロセッシングモジュールの中には、Queue
とManager
という2つの重要なクラスがあります。これらは、マルチプロセッシング環境でデータを共有するための手段を提供します。
multiprocessing.Queue
は、高速なデータ受け渡しが可能ですが、共有メモリで問題が発生する可能性があります。一方、multiprocessing.Manager().Queue()
は、データ受け渡しが若干遅くなりますが、共有メモリの問題を回避します。
以下に、multiprocessing.Manager().Queue()
を使用したPythonのコード例を示します。
from multiprocessing import Process, Manager
def f(q):
q.put([42, None, 'hello'])
if __name__ == '__main__':
with Manager() as manager:
q = manager.Queue()
p = Process(target=f, args=(q,))
p.start()
print(q.get()) # prints "[42, None, 'hello']"
p.join()
このコードでは、Manager().Queue()
を使用して、異なるプロセス間でデータを共有しています。具体的には、子プロセスがキューにデータを追加し、親プロセスがそのデータを取得しています。
このように、Pythonのマルチプロセッシングモジュールを使用すると、複数のプロセス間でデータを効率的に共有することが可能になります。これにより、大規模なデータ処理タスクを効率的に並列化し、プログラムのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。