PythonとTkinterを使ったマルチスレッドの実装

PythonのGUIライブラリであるTkinterとマルチスレッドを組み合わせることで、より応答性の高いアプリケーションを作成することが可能です。

マルチスレッドとは

マルチスレッドはプログラムを高速化したり同時処理を行ったりする上で重要な仕組みになります。特にTkinterではユーザー操作時のアプリの反応を良くしたりすることもできます。

Pythonでのマルチスレッドの使い方

Pythonではマルチスレッドをthreadingをimportすることで利用することができます。スレッドはthreading.Threadクラスのコンストラクタを実行することより生成することができます。

import threading

def func():
    for j in range(100):
        print("sub  : " + str(j))

thread1 = threading.Thread(target=func)
thread1.start()

このコードでは、threading.Threadのインスタンスを作成し、そのstartメソッドを呼び出すことで新しいスレッドを開始しています。

Tkinterとマルチスレッド

Tkinterでは、GUIの応答性を向上させるためにマルチスレッドが有用です。以下に、Tkinterでのマルチスレッドの使用例を示します。

import tkinter as tk
import threading
import time

class Application(tk.Frame):
    def __init__(self, master=None):
        super().__init__(master)
        self.master = master
        self.pack()
        self.create_widgets()

    def create_widgets(self):
        self.hi_there = tk.Button(self)
        self.hi_there["text"] = "Start"
        self.hi_there["command"] = self.start_new_thread
        self.hi_there.pack(side="top")

    def start_new_thread(self):
        threading.Thread(target=self.say_hi).start()

    def say_hi(self):
        for i in range(10):
            print(i)
            time.sleep(1)

root = tk.Tk()
app = Application(master=root)
app.mainloop()

このコードでは、ボタンがクリックされると新しいスレッドが開始され、そのスレッドでsay_hi関数が実行されます。これにより、GUIはスレッドの処理が終了するのを待つことなく、他のイベントに応答することができます。

以上がPythonとTkinterを使ったマルチスレッドの基本的な使い方となります。これを応用することで、より複雑なマルチスレッドのアプリケーションを作成することが可能です。