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Pythonは多くの科学計算やデータ分析に利用されていますが、大規模なデータ処理や複雑な計算を行う際には、並列処理が必要となることがあります。その一方で、Pythonの並列処理は、multiprocessingなどの標準ライブラリを用いても、その実装は複雑であり、また、プロセス間のデータ共有も容易ではありません。

ここで登場するのが、Rayというフレームワークです。RayはPythonにおける分散並列処理を高速かつシンプルに書けるフレームワークで、既存のコードを並列化することも容易な設計となっています。

Rayを使うことで、multiprocessingなどに比べ簡単にプロセスレベルの並列処理を記述することができます。

Rayの基本的な使い方は以下の通りです。

import ray
import time

ray.init(num_cpus=4) # リソース数の指定などを行いRayのプロセスを起動

@ray.remote
def func(x):
    time.sleep(3)
    return x

begin_time = time.time()
res1, res2 = func.remote(1), func.remote(2)
print(ray.get(res1), ray.get(res2)) # 出力: 1 2
end_time = time.time()
print(end_time - begin_time) # 3秒ぐらい

このコードでは、funcという関数を並列に実行しています。funcは3秒かかる処理を行い、その結果を返します。この関数を2回呼び出すと、通常であれば6秒かかる処理が、Rayを用いることで3秒で終わることが確認できます。

Rayは、このようにPythonの並列処理を容易に実装することができる強力なツールです。大規模なデータ処理や複雑な計算を行う際には、Rayの利用を検討してみてください。

投稿者 admin

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