PythonとQtを使用したプログラミングでは、シグナルとスロットの概念が重要です。これらは、イベント駆動型のプログラミングで一般的に見られるパターンで、特定のイベント(シグナル)が発生したときに特定のアクション(スロット)をトリガーします。
QtのSignal
クラスは、Pythonのような言語でQtシグナルを宣言し、接続する方法を提供します。Signal.connect(receiver[, type=Qt.AutoConnection])
は、このシグナルとレシーバー(Pythonの呼び出し可能オブジェクト、スロット、またはシグナル)との間に接続を作成します。Signal.disconnect(receiver)
は、このシグナルからレシーバーを切断します。Signal.emit(*args)
は、接続されたスロットに渡す引数(あれば)です。
PySideでは、シグナルとスロットの実装にはいくつかの注意点があります。まず、シグナルは必ずQObject
を継承したクラスで定義する必要があります。また、シグナルを送信するにはemit()
を実行し、スロット関数には明示的に@Slot
を付ける必要があります。
以下に、PythonとQtを使用したシグナルとスロットの基本的な使用例を示します。
from PySide2 import QtCore
from PySide2.QtCore import Signal, QObject
class Phone(QtCore.QObject):
## SIGNAL定義
mailReceived = QtCore.Signal(str)
def __init__(self):
## QObject初期化
QObject.__init__(self)
def receiveMail(self, text):
## 独自シグナル送信
self.mailReceived.emit(text)
## 任意のスロット関数
## 引数に文字列型を1つ受け取る
@QtCore.Slot(str)
def onMailReceived(text):
print("Mail received!!")
print("Message : %s" % text)
## インスタンス生成
phone = Phone()
phone.mailReceived.connect(onMailReceived)
## 試しにシグナル送信する
phone.receiveMail("hello")
このコードでは、Phone
クラスがmailReceived
というシグナルを定義しています。receiveMail
メソッドが呼び出されると、このシグナルが発行され、接続されたスロット(この場合はonMailReceived
関数)が呼び出されます。
以上がPythonとQtのシグナルについての基本的な説明です。この概念を理解し、適切に使用することで、PythonとQtを使用したアプリケーションの開発がより容易になります。.