Lauterbach社のTRACE32は、組み込みソフトウェアの開発ツールとして広く利用されています。その中でも、Pythonを用いたリモート制御が可能なAPIが提供されており、これによりPythonスクリプトからTRACE32を操作することが可能となります。
Lauterbach APIとPython
Lauterbach社は、Python 3.6以上に対応したモジュールlauterbach.trace32.rcl
を提供しています。このモジュールは、TRACE32 Remote APIをPythonから利用するためのネイティブインターフェースを提供します。
新規プロジェクトには、以下の理由からlauterbach.trace32.rcl
の利用が推奨されています:
– 実装労力が少ない
– RCLプロトコルのネイティブ実装であるため高速
– 自動テストとデプロイが行われているため、エラーが少ない
PythonからTRACE32を操作する
PythonからTRACE32を操作するためには、まずlauterbach.trace32.rcl
モジュールをインポートします。その後、connect()
メソッドを使用してTRACE32のインスタンスにアタッチします。
import lauterbach.trace32.rcl as t32
dbg = t32.connect()
次に、fnc()
メソッドを使用して設定されているCPU名を取得します。
print(dbg.fnc('CPU ()')) # CortexA8
最後に、cmd()
メソッドを使用して、インスタンス上でコマンドを実行します。
dump_flags = dbg.cmd('data.dump flags')
以上のように、PythonからLauterbach APIを利用することで、TRACE32をリモートから操作することが可能となります。これにより、より複雑なテストケースの実行や、自動化のためのスクリプト作成が容易となります。
まとめ
PythonとLauterbach APIを組み合わせることで、組み込みソフトウェアの開発やテストの効率化が期待できます。Pythonの豊富なライブラリとLauterbachの強力な機能を活用し、より質の高いソフトウェア開発を目指しましょう。