PythonとC++は、オブジェクト指向プログラミング(OOP)の文脈で、クラスのインスタンス自体を参照するための異なるアプローチを持っています。
Pythonのself
Pythonでは、self
はクラスメソッドの最初の引数として明示的に受け取られます。これはPythonが動的言語であるため、クラスにメンバーを追加できるからです。self
を明示的に使用することで、ローカルスコープ、インスタンススコープ、またはクラススコープで作業するかを定義できます。
class Foo:
def __init__(self):
self._bar = 42
def baz(self):
return self._bar += 1
C++のthis
一方、C++では、this
はキーワードであり、非静的クラスメンバ関数のパラメータとして明示的に指定されることはありません。しかし、そのような関数が呼び出されるインスタンスを自動的に参照します。つまり、this
はオブジェクトへの参照ではなく、それへのポインタです。
class Foo {
int bar = 42;
public:
int baz() {
return bar += 1;
}
}
結論
Pythonのself
とC++のthis
は、それぞれの言語の特性と哲学を反映しています。Pythonでは明示性が重視され、self
はメソッド宣言で明示的に使用されます。一方、C++ではthis
は暗黙的に使用され、メンバーを定義するときと参照するときに構文的な区別があります。これらの違いを理解することで、PythonとC++の間でコードを移行する際の混乱を避けることができます。