Pythonでは、辞書型(dict)は一般的に一意のキーとそれに対応する値を持つデータ構造です。しかし、複数の辞書型をマージする際や、同じキーを持つ値を計算する際には、特別な処理が必要となります。
同一キーの値をマージする
複数の辞書型をマージする際に、同じキーを持つ値を連結する方法を見てみましょう。以下に示す例では、collections
モジュールの defaultdict
を使用しています。
from collections import defaultdict
def merge_dict_values(*dicts):
r = defaultdict(list)
for d in dicts:
for k, v in d.items():
if v not in r[k]:
r[k].append(v)
return r
dic = {'A':'1', 'B':'2'}
dic1 = {'A':'3', 'B':'2', 'C':'4'}
dic_merged = merge_dict_values(dic, dic1)
print(dic_merged)
このコードは、dic
と dic1
の2つの辞書型をマージし、同じキーを持つ値をリストとして保存します。その結果、{'A': ['1', '3'], 'B': ['2'], 'C': ['4']}
という辞書型が得られます。
同一キーの値を計算する
同じキーを持つ値を計算する場合も、defaultdict
を使用することができます。以下の例では、同じキーを持つ値の合計値を計算しています。
from collections import defaultdict
def compute_dict_values(*dicts):
r = defaultdict(int)
for d in dicts:
for k, v in d.items():
r[k] += int(v)
return r
dic = {'A':'1', 'B':'2'}
dic1 = {'A':'3', 'B':'2', 'C':'4'}
dic_computed = compute_dict_values(dic, dic1)
print(dic_computed)
このコードは、dic
と dic1
の2つの辞書型の同じキーを持つ値を加算します。その結果、{'A': 4, 'B': 4, 'C': 4}
という辞書型が得られます。
以上のように、Pythonでは辞書型の同一キーを扱うための便利な方法が提供されています。これらの方法を活用することで、より複雑なデータ構造の操作を効率的に行うことができます。